Q&A:よくある誤解

生活保護制度下での起業に関するよくある誤解と、その真実について詳しく解説しています。
「生活保護でも起業してよいのか」「甘えではないのか」「失敗したらどうなるのか」など、多くの方が抱く疑問に、法的根拠と実践的な視点から明確にお答えします。

🔰 はじめての方は →
Q1. 生活保護でも起業してよいのですか?
Q8. 本当に自立できるほどの収入が得られるのですか?
Q13. 一日も早く生活保護から抜け出したいのですが…
をまずご覧ください。

生活保護制度下での起業に関するよくある誤解をまとめています。

Q1. 生活保護でも起業してよいのですか?

はい、法的には禁止されていません。
憲法第22条で保障される「職業選択の自由」は生活保護受給者にも適用され、生活保護法にも起業を禁じる規定はありません。
ただし、事例が少ないため現場では認知度が低く、担当者によっては慎重または消極的な対応を取られることがあります。
実際には、事業を始める前にケースワーカーへ事前相談・申請を行い、事業収入が発生した場合は速やかに申告する義務があります。
報告を怠ると不正受給に該当する可能性があるため注意が必要です。
法的根拠を示しながら丁寧に説明すれば、理解を得られる可能性は高まります。
大切なのは「透明性」と「誠実な対応」です。

Q2. 生活保護で起業するなんて甘えではないですか?

むしろ、自立への積極的な取り組みです。
生活保護制度の目的は「最低限度の生活の保障」と「自立の助長」です。
起業は後者の「自立の助長」に該当する行為であり、制度の理念に合致しています。
実際、厚生労働省も就労や自立支援を推進しており、その選択肢の一つが起業です。
「甘え」ではなく、社会復帰への前向きなチャレンジなのです。

Q3. 生活保護中に事業を始めたら、すぐに保護が打ち切られますか?

収入が最低生活費を上回るまで保護は継続されます。
事業を開始しても、すぐに保護が打ち切られることはありません。
事業収入は必要経費を差し引いた額が収入として認定され、その分だけ保護費が調整されます。
つまり、事業収入と保護費を合わせて最低生活費が保障される仕組みです。
事業収入が安定して最低生活費を上回るようになった時点で保護は終了します。
なお、資産の保有状況や収入の変動によって、具体的な調整方法はケースごとに異なります。

Q4. ケースワーカーに反対されたら諦めるしかないですか?

事業計画の内容や状況により判断が分かれます。
ケースワーカーの反対は、多くの場合「前例がない」「リスクを避けたい」という心理から生まれます。
法的には問題ないため、事業計画書や収支見込みを用意し、誠実に説明すれば理解を得られることが多いです。
ただし、ケースワーカーには一定の裁量権があり、特に初期投資を伴う事業や収入の安定性に不安がある場合はハードルが高くなることがあります。
必要に応じて、福祉事務所の上席や自治体の相談窓口を活用することも重要です。

Q5. 生活保護中の起業は税務署にバレませんか?

正式な事業として堂々と届け出るべきです。
隠す必要はありません。
むしろ、開業届を提出し、適切に税務処理を行うことで社会的信用を築けます。
生活保護中でも青色申告は可能で、必要経費の計上により実質的な収入を抑えることができます。
ただし、税務上の経費計上と生活保護行政の収入認定ルールは異なるため、両方を理解して進める必要があります。
透明性の高い事業運営こそが、長期的な成功の基盤となります。

Q6. そんなに簡単に起業できるなら、みんなやっているはずでは?

情報不足と心理的ハードルが大きな要因です。
多くの受給者は「起業という選択肢があること自体」を知りません。
また、制度の複雑さや周囲の偏見により、心理的なハードルが高いのが現実です。
さらに、適切な指導を受けられる環境が整っていないことも理由の一つです。
だからこそ、正しい情報と適切なサポートが必要なのです。

Q7. 失敗したらどうなるのですか?生活保護は復活しませんよね?

生活保護中の起業なら、失敗時のリスクは最小限です。
これが生活保護中に起業する最大のメリットです。
事業が失敗しても、最低限の生活は保障されているため、路頭に迷うことはありません。
「何度でもやり直せる」という安心感の中で、リスクを抑えた事業展開が可能です。
この条件は、一般的な起業家にはない大きなアドバンテージといえます。
ただし、事業失敗後の再受給には再度の資産調査や収入見込み確認が行われ、即時再開が認められない場合もあることは理解しておきましょう。

Q8. 本当に自立できるほどの収入が得られるのですか?

目先の収入より、基盤構築に重点を置くべきです。
生活保護中は最低限の生活が保障されているため、無理に収入を追う必要はありません。
むしろ重要なのは、お金以外の資産をじっくりと構築することです。(具体的にはビジネスマナーや対人スキル向上、スキル習得、見込み客・フォロワー獲得、ポートフォリオ作成など)
中途半端な収入を得ると 保護費が減額される 一般的には売上-必要経費が15,000円を超えた場合、超えた額の9割相当が保護費から減額される。 ため、モチベーション維持が困難になりがちです。
「保護からの脱出」を性急に目指すより、十分な基盤を築いてから一気に自立する方が再転落リスクを避けられます。
実際に、3年~5年かけて基盤を固めた後に月20万円以上の安定収入を実現し、確実な自立を果たした事例は存在します。
ただし、事業内容・地域・本人のスキルによって結果は大きく異なることも事実です。
時間的余裕という最大のメリットを活かし、焦らず着実に力を蓄えることが成功への近道です。

Q9. 周りの人(家族・知人)の目が気になります...

「自立への努力」として胸を張って取り組めます。
起業は逃避ではなく、社会参加への積極的な行動です。
家族や知人には「将来の自立に向けた準備をしている」と説明すれば理解を得られるでしょう。
何より、あなた自身が「ただ生きるだけ」から「自分らしく生きる」へと変化していく姿は、周囲の人にとって励みにもなります。

Q10. 他の就労支援制度との違いは何ですか?

「雇われる」のではなく「自分で創る」道です。
一般的な就労支援は「既存の仕事に就く」ことが前提です。
しかし起業は「自分で仕事を創り出す」ことです。
年齢、学歴、職歴に関係なく、あなたの経験や個性を活かした独自の価値を提供できます。 ただし、起業支援自体は生活保護制度内に標準装備されているわけではないため、NPO等の民間支援を活用するケースが多いのが現状です。
特に、生活保護受給という経験自体が、同じような境遇の人への支援事業などで活かされるケースもあります。

Q11. 生活保護中に稼いでも保護費が減らされては意味がないのでは?

お金以外の資産構築に大きな意味があります。
確かに事業収入は保護費から差し引かれるため、最終的に生活に使える額は大きくは変わりません。
事業収入には 基礎控除(15,000円+収入に応じた追加控除) や必要経費が認められるため、その分だけ生活に使える額は増えます。

ですがここで重要なのは、生活保護中に築ける「お金以外の資産」の方です。
技術・ノウハウ・実績・信用といった無形資産は、将来の収入の土台となり、生活保護を抜け出す力になります。
生活が保障されている安心感の中で、これらを積み上げられることは、生活保護受給者ならではの強みといえるでしょう。

Q12. 少しずつ収入を増やしていくのがよいですか?

段階的収入増は挫折のリスクが高くなります。
月数万円の収入では、その分だけ保護費が減額されるため実質的な生活改善は感じられません。
むしろ「頑張っても報われない」という感覚からモチベーションが低下し、事業継続が困難になりがちです。
生活保護の仕組みを理解した戦略は、基盤をしっかり築いてから一気に自立水準まで収入を伸ばすことです。
時間的余裕を活かし、確実な成功基盤を作ることが重要です。

Q13. 一日も早く生活保護から抜け出したいのですが…

性急な脱出は再転落のリスクを高めます。
「保護からの脱出」を最終目標にしてしまうと、基盤が不十分なまま自立してしまう危険があります。
不安定な収入で保護を打ち切られた後、事業が傾いたときに再び困窮する可能性が高くなります。
本当の目標は「安定した自立生活」であり、そのためには十分な準備期間が必要です。
焦らず着実に力を蓄え、「もう大丈夫」と確信できる状態になってから自立する方が安全です。